1本、1台、1枚など、日本語には多様な類別詞(助数詞)が存在します。また、世界の言語に目を向けてみると、例えば中国語では日本語以上に多くの類別詞がありますが、一方で英語のように類別詞を持たない言語もあります。類別詞は何に基づいて存在し、使い分けられているのか。あらゆる角度から類別詞の体系を考えます。
1. イントロダクション ―類別詞研究の動機と理論的課題―
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2011-01-31 16:51:39
ID:55
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くろしお出版による西光義弘先生(神戸大学名誉教授)の講義配信。第4回目のゼミテーマは、「類別詞(助数詞)を考える」です。
日本語では「~本」や「~匹」など、多様な類別詞がありますが、英語では基本的な類別詞はありません。
日本の類別詞は特異なのか? 諸言語との違いは?
これまで言語類型論や認知言語学などで研究されてきた類別詞ですが、今回の講義ではまず、類別詞研究の理論的課題を改めて提示します。
(管理人)
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2. 類別詞の基本原則
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2011-01-31 16:54:06
ID:56
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類別詞を考えるうえでは、「数える」ということに関する認知的なシステムを考察する必要があります。
今回の講義では、Gelman and Gallistel(1978)の研究を取り上げ、数えるためにはどのような原則があるかを見ていきます。
(管理人)
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3. 数えるための原則 補足の解説
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2011-02-03 16:54:31
ID:58
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前回の講義で触れたGalman and Gallistelの「数えるための原則」について、わかりやすく具体的に説明します。
(管理人)
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4. 抽象化の原則
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2011-02-03 16:56:40
ID:59
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今回の講義では、Galman and Gallistelのもうひとつの原則である「抽象化の原則」を紹介。
言語間での抽象度の違いや、それを示すための「抽象度パラメータ」などについて解説します。
(管理人)
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5. Seminの抽象度パラメータ ―破壊動詞を例に―
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2011-02-15 17:03:55
ID:60
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前回の講義で、Seminの「抽象度パラメータ」というのを紹介しましたが、今回は破壊動詞(「割る」、「折る」、「破る」、「壊す」など)を取り上げて、言語間での抽象度の違いを考察します。
英語と日本語、さらにはネパールの言語であるネワール語の例を観察し、破壊動詞と類別詞にどんな相関があるか検証します。
(管理人)
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6. 類別詞と身体性の関係 ―把握動詞―
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2011-03-07 18:36:06
ID:61
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今回の講義では、「類別詞は何に基づいて存在しているのか?」という理論的課題について、身体性という観点から考えていきます。
「持つ」「つかむ」「にぎる」などの把握動詞は、どのように区別されるのか、類別詞とどのように相関しているのか、といったことについて解説します。
(管理人)
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7. アメリカ大陸の類別詞 ―動詞と類別詞の関係―
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2011-03-09 15:34:26
ID:62
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類別詞はアジア系の言語圏に現れること多いですが、アメリカ大陸の言語においても、類別詞が使用されているようです。
その特徴としては、特定の動詞に対するマーカーとして類別詞が現れるということが挙げられます。
今回の講義では、大島稔氏の先行研究などを参考に、こうした現象を考えていきます。
(管理人)
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8. 数えるための個別化の条件(1) ―可算/不可算名詞―
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2011-03-24 13:24:41
ID:63
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Galman and Gallistelの「数えるための原則」を実践するためには、数えるものの境界が明確になる「個別化」が必要となります(例えば、液体などはそのままでは個別化されないため、数えられません)。
この「個別化」の観点から、今回の講義では英語の可算名詞/不可算名詞の度合いについて考えます。
(管理人)
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9. 数えるための個別化の条件(1) ―可算/不可算名詞―
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2011-03-29 11:42:06
ID:64
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前回の「個別化の条件」の続きとして、今回の講義では英語の集合名詞(ex. people)や、単複同形(ex. fish, sheep)について考えます。
中学校や高校の英語の勉強ではこうした名詞の区別を丸暗記することもありますが、本質を理解すれば少し覚えやすくなるかもしれません。
(管理人)
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10. 個別化の連続体
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2011-04-13 17:53:31
ID:65
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前回までの講義で、英語の可算/不可算名詞や、集合名詞、単複同形などの例を観察するなかで、個別化にも度合いがあるということがわかってきました。
今回の講義では、それを連続体として捉えるモデルを提示。対象が同質なものか、異質なものかという軸を中心に、連続体の要因について考えていきます。
(管理人)
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11. 英語名詞における個別性レベル
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2011-04-19 15:42:31
ID:66
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前回提示した「個別化の連続体」という概念について、今回の講義では今里典子氏の先行研究を取り上げ、英語の名詞の個別性にレベルがあることを説明します。
それによると、英語名詞は可算/不可算名詞というだけではなく、7種類の個別性のレベルに分類することができるとのことです。
(管理人)
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12. 各言語の抽象度パラメータをはかる
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2011-04-27 16:47:33
ID:67
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類別詞の使い方には、意味論の一般原則的な側面があります。今回の講義では、「慣れと親しみ」、そして「対立」の原則を類別詞に当てはめ、意味の拡張と使い分けについて考えます。
ここでの例としては、「おじさん」と「おっちゃん」、「本」と「便」、「匹」と「頭」などが挙げられます。
(管理人)
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13. 意味論の一般原則から考える、類別詞の使い分け
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2011-05-26 18:33:31
ID:69
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類別詞の使い方には、意味論の一般原則的な側面があります。今回の講義では、「慣れと親しみ」、そして「対立」の原則を類別詞に当てはめ、意味の拡張と使い分けについて考えます。
ここでの例としては、「おじさん」と「おっちゃん」、「本」と「便」、「匹」と「頭」などが挙げられます。
(管理人)
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14. 類別詞の「拡張」
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2011-05-31 19:08:46
ID:70
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類別詞の使い分けに関して、前回と同じく意味論の一般原則的な観点から、「上位範疇/下位範疇」という現象に注目します。
機械や乗り物を数えるときの「個」「台」「機」「艘」などの使いわけが、これに当てはまるようです。
また、後半ではそれらの原則に大きく関与する、類別詞の「拡張」を考えます。
これによって、例えば「本」という類別詞が棒状のものだけでなく、映画やスポーツの試合などを数えるのにも使えることが説明できます。
(管理人)
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15. 類別詞と動詞の関係
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2011-06-01 19:09:05
ID:71
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「1本」「2本」と数えるホームランに対して、「つきささる」という動詞が使われることがあります。
今回の講義では、こうした共起する動詞に注目し、前回から考えてきた類別詞の「拡張」の原則について考えます。
(管理人)
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16. 類別詞の「理論的課題」に対する答え
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2011-06-06 18:07:10
ID:72
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これまでの講義の内容に基づき、ゼミ冒頭で提示した4つの理論的課題、
1. 類別詞は何に基づいて存在しているのか。
2. 類別詞を持つ言語と持たない言語はどこが違うのか
3. 類別詞を持つ言語と数(単数・複数など)を持つ言語は相互排除的なのか。
4. 基本類別詞をたくさん持っている言語と少ない言語はどこが違うのか。
に対する答えを解説します。
(管理人)
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17. 類別詞の全体システム(最終回)
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2011-06-07 18:16:00
ID:73
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Gelman and Gallistelによって提示された「数えるための原則」に、モダリティ的な原則を補足することによって、類別詞を全体としてのシステムとして捉えたというのが、今回のゼミの大きな流れです。
最終回では、こうした原則を総括的にまとめます。
(管理人)
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